多くの子育て中のママを悩ませる子供の偏食。子供の健康を真剣に考えているからこそ、好き嫌いなく何でも食べてほしいと思いますよね。2人の子供を持つ私もその一人です。私が実践している、子供の偏食対策、好き嫌いなく食べられるようになるための工夫をご紹介します。食事は、子供も大人も一緒に楽しく食べることがカギです!
1、偏食とは
偏食とは、一般的にある特定の食べ物に対する好き嫌いがはっきりしていること。そして、その程度がひどい場合のことをいいます。白いご飯しか食べない、肉しか食べない、野菜を全く食べない、ごはんを食べずにおかずだけ食べるなど、偏食には個人差が大きくそのパターンは様々です。パターンは違っていても共通することは、好きなものばかり食べて嫌いなものを避けてしまっていること、そしてその程度が大きいほど栄養が偏ってしまい、成長や発育に必要なビタミンやミネラルなどの栄養素が不足してしまいます。
成長や発育に必要な栄養素が不足してしまうと聞くと、心配ですよね。偏食を放っておくと、子供の成長に影響が出るのではないか、病気になってしまうのではないかと子供を思う親であれば気が気ではありません。ただ、子供の偏食対策として絶対にしてはいけないことがあります。
2、子供の偏食対策~絶対にしてはいけないこと
子供が嫌いな食べ物を無理に食べさせること
親は、子供の健康を考えて好き嫌いなく残さずに食べてほしいと思いますよね。しかし、子供が嫌がっているのに無理に食べさせるようなことをすると、楽しいはずの食事が子供にとって苦痛になってしまいます。食事の時間が苦痛になると余計に食べなくなり、偏食が悪化することがあります。
食べないことを叱ること
「なんでも残さず食べなさい!」「もったいないでしょ!」「ちゃんと食べないなんて〇〇ちゃんは、だめね。」頭ごなしに食べないことを叱られたり、否定されたりするとやはり食べること自体が苦痛になってしまいます。「ちゃんと食べられない私はダメな子なんだ。」と劣等感を抱かせることにもなってしまいます。
時には、食べたくない食べ物を床にポイっと投げてしまうこともあるでしょう。我が子もそうでした。特に次男は、自分の嫌いな食べ物は自分のお皿に乗っていてほしくないみたいで、床にポイっと捨ててしまうことがしょっちゅうでした。そんな時、「投げちゃダメっ!!」とつい大きな声で叱ってしまいますが、ここはぐっと我慢。まずは、子供の気持ちを考えます。「〇〇食べたくないの?」「いやだったの?」と優しく声をかけましょう。でも、食べ物を投げてはいけないこと、食べ物を粗末にしてはいけないことはしっかりと伝えます。「ピーマン(投げられた食べ物)が可愛そうだよ。泣いてるよ。」などと食べ物の気持ちを伝えるのも効果的です。これは、すぐには治らないかもしれません。根気よく付き合いましょう。
叱る前に、まずは子供の気持ちを考えて受け止めることから始めましょう。
ごはんを食べないからとお菓子など子供の好きなものをあげてしまうこと
子供がごはんをほとんど食べないでいると、本当に心配になりますよね。ごはんを食べないのなら、何か別のものでもいいから少しでも食べてほしいとゼリーやお菓子などあげてしまうこともあるかもしれませんね。でも、このような対応はやめた方が良いでしょう。子供は賢いので、一度このようなことがあると、ごはんを食べなかったりダダをこねたりすると別のもっと美味しいものが出てくるということを学習します。すると、よけいにご飯を食べなくなったり偏食が悪化します。ごはんを食べないでお菓子ばかり食べてしまう子供になってしまいます。
ご飯を食べなかったら他のものはない。「お腹が空いても知らないよ。」と、毅然とした態度で子供に接することも大切です。本当に食べなかったとしても次の食事まで何も与えなければ、子供もお腹が空いているので食べるようになるでしょう。食べなくても過剰に心配はしない、栄養が足りなくなったら必ず食べだすはずですよ。
食事中、テレビをつけっぱなし
テレビを見ていない時でも常につけているというご家庭も多いかもしれません。でも、食事中は必ず消すようにしましょう。テレビがついていると子供は食事に集中できません。食事の時間は、食事に集中できる環境づくりも大切です。子供がテレビを見たいと言っても、「食べ終わったら見ようね。」と言って、テレビは消すようにしましょう。
3、子供の偏食対策のポイント
子供の味覚は3歳までに決まる!離乳食期~3歳までが特に大切
子供の味覚は、3歳までに決まると言われています。離乳食期から食べられる食材をより多く食べ、様々な味を体験することでその子の味覚の幅を広げることになります。その体験がこの先ずっと、食生活に影響を与えるのです。味付けも濃い味付けだとその味に舌が慣れてしまい、食材そのものの味を感じにくくなってしまいます。だしを使った薄味で、素材の味を感じられるものを食べさせてあげて下さい。
我が家の離乳食は、離乳食期の初期・中期では米・野菜・大豆製品・白身魚を中心に与えていました。鰹節と昆布で取っただしを使って、薄味も心がけていました。特に野菜は、旬の野菜を使って様々な食材を食べさせるように心がけました。長男は、幼児期に入って味覚も変わったのか、前は美味しいと言って食べていたものを食べなくなったりと好みもその時その時で変わりますが、ホウレン草もブロッコリーもモリモリ食べる、比較的野菜をたくさん食べる子供に育っています。
大人も一緒に同じものを美味しく、楽しく食べる
よく、子供だけ先に食べさせて大人は後で食べるといった、大人と子供が別々に食事をしているご家庭があるとききます。確かに、子供と一緒に食事をするとお母さんはなかなかゆっくりと食べることができません。でも、大人も子供も同じものを一緒に食べるということは、とても大切なことです。
私は、離乳食期からできる限り子供と一緒に食事をすることを心がけてきました。子供は、親を見て食べ方を学んだり、美味しいねと共感しながら楽しく食事するということが大切と聞いたことがあったからです。子供は、食べなれないものに警戒心を抱いて食べないこともありますが、お母さんが目の前で美味しそうに食べているところを見ると、子供も食べてみようかなという気持ちになるようです。
偏食を防止する対策として大切なのは、親も好き嫌いなく子供と一緒に美味しく、楽しく食事をするということが一番のカギになると思っています。
子供の偏食を心配し過ぎないで!好きなものを増やしていくことを大切に
お菓子をご飯の代わりに与えているようでは、栄養面でかなり心配ですが、そのようなことがなく偏食があっても元気に発育していれば心配しすぎなくても良いかと思います。特に1歳半から3歳ころまでは大抵の子が、好き嫌いをして食べ方にもむらがあるようです。
好きなものだけを食べて栄養に偏りがみられても、1日~1週間と長い目で見て、朝はパンしか食べなかったらおやつに果物やチーズ、卵焼きなどを食べさせてみる。お昼には野菜をたっぷり入れたスープを作ってみる。夜はおにぎりと野菜たっぷりのハンバーグ、といった具合に偏食があると1食でバランスよく栄養を摂ることは難しいと思うので、朝食べなかったものをお昼や夜に、昨日食べなかったものを次の日には少しでも食べられるように長い目でみるようにしましょう。
どうしても他のものは食べないのであれば、元気に発育しているのであれば、好きなものを好きなだけ食べさせてもいいと思います。好きなものを無理に遠ざけるよりも食べる楽しみを覚えて、食べる量や好きなものも少しずつ増えていくことでしょう。
子供には、好きなもののブームがあることをよく耳にします。前はパンばかり食べていたのに今度はかぼちゃばっかり食べている、そうかと思えば白いご飯しか食べなくなったといった具合です。子供の好みに合わせた食事を作り、食べることは楽しいことということをたくさん体感させてあげて下さい。
そして時には、「これも食べてみたら?美味しいよ!」とお母さんが食べているものを食べさせてみたり。子供が食べなかったら「美味しいのにもったいな~い。」と言ってお母さんが美味しそうに食べてみたり。「美味しいから一口だけ食べてみて。」とお願いしたり、「にんじんさんが○○ちゃんのお口に入りたがってるよ。」と言ってみたり、決して無理強いはしないけど、美味しいこと食べてみてほしいことなどを伝えてみましょう。
うちの子はパンが大好きです。ふわふわしていてほんのり甘くて、パン好きの子供は多いのではないでしょうか。うちでは、パンを朝食に出すこともあったのですが、そうすると今日はごはんという日でも子供は「パンがいい!」となってしまいます。悩んだ挙句、我が家のごはんの主食はごはんと決めました。パンは、おやつかお休みの日の昼食に時々食べる位にしました。そうすると子供は、「パンがいい。」と言ってもごはんの時は決してパンが出てくることがないということがわかったのか、駄々をこねることもなくなりました。家庭でのルールを決めてそれを貫き通すことも大切かもしれません。
子供が十分に食べられる量をお皿に盛る
子供が食べる量以上にお皿に盛ってしまうと、常に食べ物を残してしまうというくせがついてしまいます。食べるかわからないものは、少しだけ盛って食べたらおかわりすればいいのです。子供が嫌いな食べ物は、1口分だけにして1口食べればOKという気持ちでいましょう。その1口も食べずに残してしまったとしても、無理強いしたり叱ったりはしません。少しの量でも食べてお皿がきれいになったら、「きれいに食べられたね!」と子供をほめてあげましょう。全部食べられたという子供の自信にもつながり満足感が得られます。次はもっと食べてみようかなという気持ちにもなるかもしれません。
食べてほしいものから出す。大好きなものは最後に取っておく
うちの子供は、さつまいもやかぼちゃが大好き!他のおかずと一緒にさつまいもやかぼちゃを出すと、真っ先に食べて「もっと、もっと!」ほかのおかずにはなかなか手を付けてくれなくなってしまいます。それでは栄養が偏ってしまうので、その対策として大好きなさつまいもやかぼちゃは子供には見せないようにして、先にごはんと別のおかずを出します。そして、先に出したごはんとおかずを食べたら、大好きなさつまいもやかぼちゃを出すのです。
1歳から3歳くらいまでは、特に好きなものを真っ先に食べてしまう傾向があると思います。個人差もあると思いますが、うちの長男は4歳ごろからは大好きな食べ物は、先にちょっと食べたらあとは最後のお楽しみに取っておくようになったので、このような対策は必要なくなりました。子供の様子を見ながら食事の出し方も考えてみて下さい。
調理方法を工夫する
まず、子供がなぜ食べないのかということをよく観察して考えてみましょう。自分の気持ちを伝えられる年齢であれば、子供にもなんで嫌なのかを聞いてみましょう。子供は、うまく説明できないかもしれませんが、子供の気持ちを理解するという姿勢は大切です。そのような姿勢で子供と接していれば、子供の気持ちを理解したいという優しいお母さんの気持ちが子供にも伝わるはずです。うまく説明できなくても、子供なりの表現で答えてくれるでしょう。
我が家の長男は、切り干し大根やきんぴらごぼうなどの人参は何の抵抗もなく食べますが、いちょう切りや一口大に切った人参にはちょっと抵抗があるようです。同じ食材でもちょっとした切り方一つで子供は食べたり食べなかったりすることがあります。どのようにすれば子供が食べるのかいろいろ工夫して試してみましょう。
野菜は、みじん切りにしても色や形が見えるとどうしても食べてくれないということもあるでしょう。そのような子供の場合は、ブレンダーを使ってポタージュスープにしたりジュースにしたり、ハンバーグが好きな子供であれば野菜をたっぷりいれた具沢山のハンバーグにしたり、すりおろしてホットケーキにまぜたり、いろいろと工夫すれば食べられる調理法が見るかるはずです。嫌いだからとその食材を遠ざけないで食べられるように工夫して出し続けることも大切です。
一口だけでもOK!決して無理はしない
子供が喜ぶと思って一生懸命作った料理を全く食べずに残されてしまうと、とてもがっかりしますよね。私もそのような経験を何度もしました。前は好きと言っておかわりをして食べたおかずを、次に作った時には全く食べてくれなかったということもあります。子供の食べ方には、本当にむらがあるとつくづく実感しています。
そんな子供を理解して、食べなくても無理はしない、一口だけでもOKにしています。でも、一口は食べるように勧めます。「美味しいよ。一生懸命作ったから一口でいいから食べてみて。」とお願いします。「一口は食べなさい!」というと反発して「ヤダ!」となってしまいますが、優しくお願いされると5歳の長男はしぶしぶ食べてくれます。2歳の次男は、我が強くて嫌なものは嫌と食べてくれないことも多いのですが、それでもしぶしぶ口に入れて、出してしまうこともあれば「美味しい!」と食べ始めることもあります。
一口だけでもいいから食べてもらえれば、子供の味覚の幅も広がりますよね!
偏食対策には、規則正しい食生活が大切!
「うちの子、ごはんを全然食べてくれなくて。」と話す人を見ていると、時間を考えずにおやつを食べさせていたりします。ごはんの少し前におやつを食べさせて、ごはんの時間にお腹が空くでしょうか?お腹が空いていないと子供は、ごはんを食べないのは当たり前ですよね。それでいて「ごはんをちゃんと食べなさい!」と言われれば子供は食事が苦痛で仕方がないでしょう。ごはんの時間にお腹が空いていないのでご飯を食べない、そしてごはんを食べなかったので変な時間にお腹が空いて、またお菓子を食べてごはんが食べられなくなるといった悪循環です。
おやつも含めて食事の時間は規則正しくすることが、偏食対策の基本といえるのではないでしょうか。おやつの量も加減しましょう。時間を規則正しくしてもごはんを食べないのであれば、おやつの量が多いということも考えられます。そして、体を動かしてたくさん遊ぶ!そうすることでお腹がすいてご飯を美味しく食べられるようになります。
(例)規則正しい食生活
7:00 朝ごはん
10:00 おやつ (3歳ごろまで)
12:00 お昼ごはん
15:00 おやつ
18:00 夜ごはん
一緒に料理したり、野菜を育てたり、食材に触れる機会を作る
食べること自体に興味を持てないという子供もいるようです。食材を選ぶ、洗うといった簡単なお手伝いであれば1歳からでもできます。食材に触れる機会を作ることで子供の食に対する興味も変わってきます。偏食のある子供でも、食材に触れる機会が増えれば今まで食べなかった食べ物に対しても興味を持てるようになったりします。
「今日のお味噌汁の具は何がいいかな?」と子供と一緒に冷蔵庫の中から食材を選んでみましょう。子供は喜んで選んでくれるはずです。自分で選んだものでお母さんが料理を作ってくれたら、子供も食べてみようかなといった気持ちにもなれるかもしれません。食べなかったとしても続けることで、だんだんと食に対する気持ちも変わってくるでしょう。
うちの長男は、トマトが苦手です。私とトマト大好きな次男が「甘くて美味しいよ。」と言ってミニトマトを食べていると、時々食べてみて「美味しい。」というものの、食べないことがほとんどです。家庭菜園でミニトマトを育てると、赤く実ったミニトマトを嬉しそうに食べました!やっぱり食べる時と食べない時はありますが、苦手なものでも触れる機会があるといつかはきっと苦手意識もなくなって心から美味しい!食べたい!と思ってくれる日が来るのではないかと気長に見守っているところです。
まとめ
子供の食べ物に対する好き嫌いは、あって当たり前です。その程度には個人差が大きく、偏食の度合いが大きければ大きいほど心配だし、対応も大変かと思います。子供の偏食対策としてまずは、子供の気持ちを受け入れることから始めましょう。そして、大人も一緒に食事をして食べることは楽しいことということを教えてあげましょう。「美味しいね。」とお母さんと一緒に共感しながら食べることは、子供にとって喜びであり、幸せな一時となるでしょう。
偏食対策としてしてはいけないことは、子供が嫌いな食べ物を無理に食べさせること、食べないことを叱ること、ごはんを食べないからとお菓子など子供の好きなものをあげてしまうこと、食事中テレビをつけっぱなしにすることです。
偏食対策のポイントは、以下の9つです。
1、子供の味覚は3歳までに決まる!離乳食期~3歳までが特に大切
2、大人も一緒に同じものを美味しく、楽しく食べる
3、子供の偏食を心配し過ぎないで!好きなものを増やしていくことを大切に
4、子供が十分に食べられる量をお皿に盛る
5、食べてほしいものから出す。大好きなものは最後に取っておく
6、調理方法を工夫する
7、一口だけでもOK!決して無理はしない
8、偏食対策には、規則正しい食生活が大切!
9、一緒に料理したり、野菜を育てたり、食材に触れる機会を作る
以上のポイントを押さえて、頑張り過ぎずに気長にゆっくりと子供を見守りましょう。子供の味覚は成長と共に変わるもの。大きくなるにつれてだんだんと好き嫌いを克服する子供も多いようです。どうしても心配な方は、市町村の保健センターなどでも相談できるはずなので、問い合わせてみるのも良いと思います。