赤ちゃんの咳や鼻づまり、苦しそうで可愛そうですよね。そんな症状には、アロマオイルのユーカリで症状を緩和することができます。ただ、ユーカリにも種類があって赤ちゃんでも安全に使える品種を選ぶことが大切です。赤ちゃんでも使えるユーカリの品種と効果的な使い方、その他の活用法をご紹介します。アロマを使って辛い症状をケアしましょう!
1、ユーカリ・ラディアタは、赤ちゃんにも安心して使える
冒頭でもお伝えしたように、ユーカリにはいくつか種類があります。アロマオイルで代表的なユーカリの品種は、ユーカリ・グロブルスです。
代表的な品種、ユーカリ・グロブルス
ユーカリ・グロブルスは、ユーカリの主成分である1,8シネオールの含有量が非常に高い品種です。1,8シネオールという成分は、粘液溶解作用に優れていて、鼻づまりや去痰に効果のある成分です。特に呼吸器系の症状に有効ですが、刺激が強い成分です。ユーカリグロブルスは、香りも強く赤ちゃんには刺激が強すぎるので使わないようにしましょう。
ユーカリ・ラディアタ
ユーカリ・ラディアタは、先にご紹介したグロブルスよりも作用がマイルドです。香りは、スース―感はありますがグロブルスよりも甘めでマイルドな香りになります。
ユーカリ・ラディアタの方が刺激が少なく、より穏やかで安全に使用できます。生後間もない赤ちゃんでも安心して使えるアロマオイルです。
2、アロマの安全性と注意点
ユーカリには毒性があるから危険なアロマオイルという話があります。ユーカリに毒性があるのは本当の話ですが、ユーカリに限らずアロマオイルには毒性があるものです。安全に使用できると言われているアロマオイル、ラベンダーにも毒性があるのです。
経口毒性
アロマオイルには、経口毒性があり、飲んでしまうと最悪の場合死んでしまうこともあるのです。
ユーカリの場合の半数致死量(その物質を動物に飲ませた場合に半数の動物が死んでしまうと推定されている量)は、体重15kgの子供で74ml(精油約7本分)です。
子供が7本の精油を飲んでしまうということは考えにくいのですが、精油を赤ちゃんや子供の手の届くところに置いておくのは絶対にやめましょう。致死量に至らなかったとしても粘膜にダメージを与えたり、代謝の過程で肝臓や腎臓などの臓器に負担をかけ、健康を害する恐れがあります。
ちなみに赤ちゃんに安全に使用できる精油の代表であるティートゥリーの半数致死量は、32ml(約3本分)です。
経口毒性があると聞くとなんでもなめてしまう赤ちゃんの身の回りのものに使ったり、赤ちゃんの肌に塗布するような使い方をして大丈夫?と心配になりますよね。安全性を考えて、一定濃度以下に薄めて使用することで、赤ちゃんにも安心して使うことができます。
参考:Thee-Treeの森「エッセンシャルオイル(精油)の基礎知識:精油を飲むとどうなるの?(経口毒性について)」
皮膚に塗ることによる害は?
皮膚に塗ることで刺激を感じたり、炎症が起きる場合もあります。敏感肌の赤ちゃんには、初めて使う時にはパッチテストを行って安全性を確認してから使うことで、安心して使用することができます。
また、皮膚を通して吸収された成分は、肝臓で代謝されます。赤ちゃんは肝臓が未発達なために、肝臓に負担がかかってしまいます。ロバートティスランドの「精油安全性辞典」によると生後半年までの上限は1%とされています。1%以上の濃度では健康を害する恐れも考えられますが、1%以下での使用は問題ないと言えます。安全性を考慮して濃度を0.5%にすることでより安全に使用することができます。
パッチテストの方法
1、ホホバオイル10mlにユーカリ・ラディアタ1滴(0.05ml)入れて希釈する。(濃度0.5%)
2、二の腕の内側に少量塗布する。(塗ったところがわかるようにマジックで印を書いておく。)
3、2の横か反対の腕にキャリアオイルのみ塗る。(キャリアオイルにアレルギーがある場合もあるので。)
4、数時間から2日間置いて、様子を観察する。(まれに数日たってからアレルギー反応がでる場合もあります。)
3、ユーカリ・ラディアタの効能
呼吸器系の症状に効果的
ユーカリ・ラディアタは、粘液溶解作用に優れた成分が含まれており、鼻づまりや痰がらみ、咳に効果があります。喘息や気管支炎にも効果があります。鎮痛作用もあり、のどの痛みを楽にしてくれます。
このような呼吸器系の症状がみられるときにアロマテラピーとして芳香浴やキャリアオイルに希釈して喉や胸などに塗布することで、症状を緩和することができます。
風邪やインフルエンザウイルスの予防に
ユーカリは、抗菌作用・抗ウイルス作用に優れているので、風邪やインフルエンザウイルスの予防にも効果的です。予防には、芳香浴がおすすめです。
似た作用のあるティートゥリーとの違い
ティートゥリーも殺菌作用のあるアロマオイルのひとつで、ユーカリと似た作用があります。気管支炎や鼻炎、咳、のどの痛みなど呼吸器系全般に作用します。刺激が少なく、アレルギーの心配も少ない、赤ちゃんでも安心のアロマオイルです。
作用としては同じようですが、有効性を比べるとユーカリの方が殺菌作用が強く呼吸器症状への作用も有効性が高いようです。刺激はユーカリの方が強いので、刺激が心配であればティートゥリーから試してみるのも良いと思います。
参考記事:「Aroma&Herb かおりヶ丘コミュのティートゥリーとユーカリの違い ~使い分け~」
4、アロマテラピー☆ユーカリ・ラディアタの赤ちゃんへの使用法
赤ちゃんの鼻水や鼻づまり、咳などの風邪症状がみられたら、アロマテラピーを試してみましょう。ユーカリ・ラディアタの出番です。
まずは芳香浴から
アロマディフューザーで
芳香浴には、安全に使用できるアロマディフューザーがおすすめです。アロマディフューザーに水とユーカリ・ラディアタのアロマオイルを数滴入れて水で薄めて芳香します。精油の量は、ディフューザーの説明書の規定通りに使用しましょう。
蒸気の付近で赤ちゃんを抱っこして、10分程度吸わせましょう。
マグカップを使って
ディフューザーがない場合には、マグカップにお湯を8分目くらいまで入れてアロマオイルを1~2滴垂らし、芳香します。赤ちゃんを抱っこした状態で椅子に座り、テーブルにアロマオイルを入れたマグカップを置いて、香りを吸わせるようにしましょう。
この方法は簡易的で簡単ですが、熱いお湯を入ったコップを赤ちゃんの近くに置くということで、周りのものをつかむようになった赤ちゃんには危険が伴うのであまりおすすめではありません。
安全に芳香浴をするためには、やはりアロマディフューザーを用意した方が良いでしょう。
赤ちゃんの枕元に
ハンカチやコットンにユーカリ・ラディアタのアロマオイルを1~2滴垂らし、さらにハンカチなどに挟んで赤ちゃんの枕元に置いてあげます。ユーカリは、揮発性も高いのでこれだけでも効果が期待できますよ。
首や胸、背中に塗布する
上記の方法でも赤ちゃんが苦しそうな状態が続くのであれば、希釈したオイルを首や胸、背中に塗布します。
ホホバオイル20mlにユーカリ・ラディアタ1滴、ティートゥリー1滴を良く混ぜます。濃度は0.5%なので、赤ちゃんでも安全性には問題ありません。
塗布の方法
胸→時計回りに優しくマッサージするように塗布します。
背中→希釈したオイルを塗って、背骨に沿って下から上に向かってマッサージします。
これを1日3回程度行うと良いでしょう。希釈したオイルは、冷暗所に保管し、3日以内に使い切るようにしましょう。
5、ユーカリ・ラディアタのアロマ活用法
ユーカリの殺菌作用を生かして、掃除や洗濯に使用すると除菌効果も得られて香りも爽やかでおすすめです。
お掃除に
スプレー容器に水と数滴のユーカリオイルを入れます。精油は水に溶けないので、使用するときはよく振ってから使用して下さい。床掃除やトイレ掃除などにも良いですね。駆虫効果もあるので、カーペットなどにかけるとダニ駆除にも効果的です。
洗濯に
洗濯機に数滴入れて洗濯することで、ユーカリの殺菌効果で洗濯ものを清潔に洗い上げ、寝具の洗濯ではダニ予防にも効果的ですね。
私は、クエン酸リンスを手作りしていたので、クエン酸と一緒にユーカリ・ラディアタを数滴入れて柔軟剤として使っていました。布おむつを洗う時にも使用しており、布おむつを清潔に洗い上げるのに役立っていたと思います。薄めに使用していたので、洗濯後はユーカリの香りは特に感じませんでした。
家族揃ってユーカリでケア
アロマテラピーは、赤ちゃんのケアだけではなく、パパやママ、家族みんなのケアとして使ってみて下さい。私も鼻づまりがひどい時には、ご紹介したユーカリ・ラディアタを使用します。マスクにユーカリ・ラディアタを1滴垂らして口に当てて、ゆっくりと呼吸をしていると、鼻がすっきりしてくるのを感じます。
直接吸い過ぎるとツーンとした刺激が強いので、ご注意くださいね。マスクに使用するときには、直接肌に当たるところは避けるようにしましょう。マスクの中央にアロマオイルを垂らしたら、そのうえにティッシュを当てるようにするといいですよ。
まとめ
ユーカリは、鼻づまりや咳、のどの痛み等の風邪症状に有効性の高いアロマオイルです。赤ちゃんに使用する場合には、作用もマイルドで安心して使用できる品種のユーカリ・ラディアタを使いましょう。
風邪症状が見られたら、まずはアロマディフューザーを使って芳香浴。ハンカチにアロマオイルを1~2滴垂らして枕元に置いてあげるだけでも効果が期待できます。それでも良くならなければ、ホホバオイルで希釈して首や胸、背中に塗布してマッサージをしてあげましょう。
ご紹介したアロマテラピーは、あくまでも家庭でのケアの方法です。これをすれば必ず治るといった方法ではありませんので、赤ちゃんの様子をしっかりと確認して、赤ちゃんが苦しそうなのであればなるべく早めに医療機関を受診しましょう。
私の息子も生後5か月位の時にRSウイルスで細気管支炎になり、体の中の酸素が足りない状態で入院になったことがあります。鼻づまりでおっぱいを飲むことがままならず、1日くらいは点滴をしていました。大人にとってはただの鼻づまりですが、赤ちゃんにとってはおっぱいが飲めなくて入院が必要な状態になってしまうこともあるんですね。
話がそれてしまいましたが、辛い風邪症状は、少しでも緩和して楽にしてあげたいですよね。家庭でできるアロマテラピーで、辛い症状を楽にする手助けをしてあげましょう。
ユーカリは、掃除や洗濯にも使えて便利ですよ。