子供の偏食は、お母さんの悩みの種ですよね。「うちの子、偏食だけど大丈夫?」「健康に問題はない?」偏食の子供を持つ母親は、子供の健康や成長などについての偏食の影響が気になっていると思います。偏食は、子供のSOSとして現れている場合もあります。まずは、偏食の原因や偏食が子供に与える影響を知って、子供の偏食とうまく向き合っていきましょう。
1、子供の偏食の影響
偏食はどうしていけないの?
偏食とは、特定の食べ物に対する好き嫌いがはっきりしていて、その程度が強い場合のことを言います。多くの子供に食べ物に対する好き嫌いはあります。では、どうして偏食はいけないのでしょうか。皆さんもお分かりのことと思いますが、偏食をしていると栄養が偏ってしまいます。偏食が与える大きな影響は、子供の成長に必要な栄養素が不足してしまうことです。
ご飯ばかり食べて、おかずを全く食べない、野菜を全く食べないといった極端な偏食がある場合は、栄養が不足して子供の成長や健康にも影響を与える問題です。このような極端な偏食の場合には、必要な栄養が摂れるような対策が必要になってきます。
子供の偏食には、他の食べられる食品で代替えする
偏食が子供の成長や健康に影響すると言っても、あまり心配し過ぎないで下さいね。好き嫌いなく何でも食べることにこしたことはありませんが、一つのものを食べられなくても同じ栄養素を含んだ他の食品を食べることができれば栄養の面ではあまり心配はいりません。実際にアレルギーで全く食べられない食品があっても、他の食品で代替えすることができれば健康面や成長に影響を与えることはありません。
肉が食べられなくても、肉と同じたんぱく質を含んだ魚や卵、豆類などを食べられれば栄養面での問題は特にありませんね。ピーマンが食べられなくても他の緑黄色野菜が食べられれば大丈夫です。野菜嫌いであっても嫌いなものを無理に食べさせずに、好きな野菜が一つでもあればそれを中心にした献立を考えて、少しずつでも好きなもの、食べられるものを増やしていければいいですね。
2、偏食の原因~家庭環境や子供の心が影響している?
偏食の原因
味覚について
まずは、子供の偏食の原因となる食べ物の好き嫌い、子供の味覚について考えてみます。子供が好む傾向にある味は、甘味・塩味・うま味です。甘味はエネルギー源、塩味はミネラル成分、うま味は成長に必要なたんぱく質、どれも体に必要な味なので子供も本能的に好んで食べるのでしょう。
子供が比較的苦手とする味は、酸味と苦みです。酸味は食べ物が腐る時に出る味、苦みは多くの毒物に苦みがあるので、食べたら害がありそうという防衛本能が働いて食べない子供が多いのでしょう。そう考えると子供はとても本能的に優れた感覚を持っていると考えることができます。
アレルギーがあって特定の食品を避けているという場合もあるようです。子供の本能を信じてみるのも良いのかもしれませんね。
苦みがあって子供が苦手とする野菜の代表選手ピーマン。今は、ピーマンでも苦みの少ない品種のものも出回っています。カラーピーマンを使ってみるのも良いかもしれません。トマトは、酸っぱいから苦手という子供もいます。甘味の強いミニトマトから食べさせてみて下さい。うちの長男もトマトが苦手でしたが、間違いなく甘いミニトマトを「絶対に甘くて美味しいから。」と勧め、何度か断られましたが、ある時食べてみようという気持ちになってくれ、食べてみると「おいしかった。」と言っていました。生のトマトがちょっと苦手だけど、煮込み料理やミートソース、スープにすると抵抗なく食べることができています。
食感について
子供は、食感にも敏感です。噛む力が十分に育っていない子供に硬いものを食べさせようとしても、食べられないものは口からベーっと出してしまいます。離乳食期にはよく見られる光景ですが、離乳食期に限らず子供には好みの食感、苦手な食感があります。シャキシャキした食感の生野菜は苦手だけど柔らかく煮た野菜なら大丈夫という子供も多いので、子供の様子を見ながら調理方法を考えましょう。
偏食は、子供からのSOS?
単なる好き嫌いだけが、子供の偏食の原因ではありません。子供の心の問題が、偏食として現れることもあるのです。子供の性格や家庭環境などの様々な要因が偏食の原因になることがあります。具体的には、子供が抱えているストレスや悩み事、親子関係や生活環境の変化などです。これは、子供からのSOSサインです。
子供からのSOSサインを見逃さずに、偏食は単なる子供の好き嫌いで子供のわがままと思わずに子供の心に問題がないか環境を見直してみましょう。特に急に偏食になった場合は、要注意です。
子供のSOSチェックリスト
・生活の中で子供がストレスを感じるようなことはないか。
・悩み事はないか。
・親子関係は良好か。
・生活環境に変化はなかったか。(子供はちょっとした変化にも敏感です。)
子供の心配事を取り除き、環境を改善させると偏食が自然と治るケースもあるようです。
3、偏食解消のために
家族そろって楽しい食卓☆
食事は、親子そろって同じものを楽しく食べていますか?共働きの家庭が増えて、お母さんも忙しく、子供と一緒にゆっくり食事する時間が取れないといった家庭もあるかと思います。子供が一人で食事をしていると、食事が楽しいものと思えなくなったり、食への興味も少なくなってしまいます。嫌いなものを頑張って食べるような機会も減って、偏食が悪化してしまう可能性があります。
”同じもの”を”楽しく”食べるということが大切です。子供は、親の鏡とよく言われますが親が楽しく美味しく食べていると、子供も食べることが楽しくなるようです。私自身、食べることが大好きで美味しいものには目がありません。子供の離乳食期から、離乳食をあげながら自分も一緒に「美味しいねー!」と言いながら食べるようにしていました。そうして育った子供は、やっぱり食べることが大好き!
食べることが大好きで、食事の楽しさを知っている子供は、やっぱり強いなと思います。多少の好き嫌いはありますが、「いつも美味しいご飯を作ってくれてありがとう!」と涙ぐましいことも良く言ってくれます。美味しそうにたくさん食べてくれる子供たちを見ていると、多少の好き嫌いは許して(一口は食べるように勧めるけど)、笑顔で食べられることを大切にします。そして、苦手なものを頑張って食べた時には、「頑張ってえらいね!お母さんもうれしい!」とたくさん褒めます。
「食べることは楽しい!」「お母さんが作ってくれたごはんは、美味しい!」と思ってくれたらしめたものですね。
まとめ
偏食の影響で心配なことは、子供の成長に必要な栄養が不足してしまうことです。野菜を全く食べないなどの極端な偏食は、何らかの対策が必要になります。多少の好き嫌いであれば、同じ栄養素を含む他の食品で代替えできるので栄養面での心配はいりません。
しかし、単なる好き嫌いだけではなく、子供の心の問題が偏食となって現れている子供のSOSサインである場合もあるので、偏食がある場合は子供の生活環境や親子関係にも問題がないか見直す必要もあります。そういった心の問題による影響がなければ、心配し過ぎる必要はありません。
偏食は、子供の成長に影響があるのではないかと心配になりますが、身長と体重が順調に増えていて、元気に過ごして健康に問題がなければ、子供の好きなもの、食べたいものが増えていくのをいろいろ工夫しながらも、気長にゆっくり待ってみましょう。
子供の「食べることは楽しい!」「美味しい!」といった気持ちを育てることを第一に、親子そろって楽しく食事をしましょう。子供の「美味しい!」と嬉しそうに食べる笑顔は、お母さんの喜びや癒しになりますね。そして、また次も頑張ろうという気持ちになれるのです。
「子供の偏食対策!絶対にしてはいけない4つのことと9つのポイント」も参考にして下さい。→http://minnanosiawase-recipe.com/%E5%81%8F%E9%A3%9F-%E5%AD%90%E4%BE%9B-%E5%AF%BE%E7%AD%96/