健康に良い食べ物、おすすめの毎日食べたい7つの食材

雑誌やテレビなどで取り上げられる健康に良いと言われる食べ物は様々ありますが、何を選んだらいいのか迷ってしまいますよね。情報に流されずに、本当に健康に良い食べ物を毎日の食卓に取り入れたいものです。基本となる主食から副菜、おやつまで健康的な毎日を送れるような、毎日食べたい健康に良いおすすめの食べ物をご紹介します。

1、玄米・全粒粉など精製されていない穀類

 

日本人の主食には、欠かすことができないお米。多くの家庭では完全に精製された白米を食べている方が多く、スーパーなどの店頭でも主に白米が売られていますね。でも、白米は、せっかくのお米の栄養成分を取り除いてしまったもの。私は、毎日食べるお米を精製した白米で食べることは、栄養の面で考えるとすごくもったいないと思っています。

確かに白米は、ふっくらと甘く美味しいですよね。玄米に比べると浸水時間も少なくて済み、炊飯ジャーでも美味しく炊けます。玄米より扱いやすく短時間で美味しく炊ける白米は、忙しい毎日でも手軽に炊くことができますね。

一方玄米は、白米よりも浸水に時間がかかり、炊くのにも時間がかかります。炊飯ジャーでは、なかなかうまく炊けないという場合もあります。玄米を美味しく炊くには、土鍋や圧力鍋を使って炊くのが良い方法ですが、現代の電化製品は優れており玄米メニューがついている真空圧力IHといった炊飯ジャーもあり、昔より手軽に玄米を毎日の食卓に取り入れやすくなっています。

一物全体

”一物全体”って聞いたことあるでしょうか?マクロビオティックで良く使われている言葉です。動物も植物も生き物ですが、野菜なら葉や皮、根など全体があって生命力が宿っています。食べ物の全体を食べることで命をそのままいただく、食べ物を丸ごと食べた方が良いという考え方です。

実際に、野菜の皮には多くの栄養素が含まれています。食べ物全体を食べることで、より多くの栄養素をバランス良く摂取することができるのです。

健康に良い一番のおすすめの食べ物は、玄米!

白米よりも玄米をおすすめする理由は、玄米は栄養面でとても優れた食べ物だからです。前に述べた一物全体は、お米でも言えることです。玄米には、白米に比べてより多くのミネラル、ビタミン、食物繊維などが含まれており、栄養バランスの良い食べ物です。

玄米からぬかを除いたものが胚芽米、胚芽米から胚芽を除いたものが白米です。ぬかや胚芽に鉄やマグネシウムなどのミネラル、ビタミン、食物繊維などが含まれており、精製度があがれば上がるほど、それらの優れた栄養成分が取り除かれてしまいます。完全に精製された白米では、その栄養価は激減してしまっているのです。

毎日食べる主食に、一番のおすすめは玄米です。ただ、炊くのが難しいという方や玄米は苦手という方もいるでしょう。そのような方は、白米を選ぶより、胚芽を残した胚芽米や完全に精製していない5分づき、7分づき米などを選ぶと良いでしょう。分づき米は、お米専門店に行くと購入することができます。玄米は、スーパーでは流通量が少ないためか、白米より割高で売っています。しかし、お米専門店に行くと、比較的安価に購入することができますよ。

糖質の代謝に欠かせないビタミンB1

ビタミンB1は、ごはんやパンなどに含まれる糖質がエネルギーに代わる時に働く酵素の働きを促す補酵素として重要な役割を担っています。玄米には、そのビタミンB1が含まれていますが、精製して白米にすることでビタミンB1が白米の8分の1にまで減少してしまいます。玄米を食べていれば、お米に含まれる糖質を代謝するためのビタミンB1も一緒に摂取することができます。しかし、白米にするとほとんど含まれていないので、その分他の食品で栄養を補わなくてはいけなくなります。

昔、脚気という病気が流行り、その原因は玄米ではなく白米を食べるようになったことによる、ビタミンB1欠乏症だったと言われています。一物全体で食べ物を丸ごと食べることによって、必要な栄養素をバランス良く摂取することができるのです。玄米は、その一例と言えるでしょう。

玄米はいつも以上によく噛んで食べましょう!

玄米の難点は、消化が悪いこと。食べなれていない人が急に玄米食に変えると、お腹が張ったり消化不良を起こしたり、お腹の調子を悪くすることがあります。どんな食べ物でもそうですが、特に玄米を食べる時はよく噛んで食べることが大切です。できれば1口に30回以上を目安にしてよく噛みましょう。よく噛むことで唾液の分泌が促進されて、消化も良くなります。

また、玄米を食べ始めたばかりでおなかの調子が良くないという方は、今まで食べていた白米に1割程度の玄米を混ぜるようにして食べてみて下さい。お腹の調子を見ながら、玄米を少しずつ増やしていくとだんだん体も玄米に慣れてきますよ。

胃腸など消化器系の病気をお持ちの方で、消化に問題があるというような方は、まずはかかりつけの医師に相談してみましょう。どうしても玄米が合わないという方もいますので、無理はしないで自分の体に合わせて食事を見直すことも大切です。

小麦は全粒粉を

小麦も同様です。一般的な小麦粉は、小麦を完全に精製しているために真っ白です。本来、精製されていない小麦は茶色い色をしていて、全粒粉と呼ばれます。小麦の胚芽と外皮を一緒に挽いた全粒粉には、ビタミンやミネラル、食物繊維が含まれているので、精製された真っ白い小麦粉よりも栄養的に優れています。血圧を安定させるカリウム、動脈硬化を防ぐリノール酸も豊富に含まれています。

そばもおすすめ!

そばの主成分は、お米や小麦と同じ糖質です。そばには、毛細血管を強くするルチンや抗酸化作用の強いケルセチンなど、ポリフェノールを多く含んでいます。食物繊維、たんぱく質、ビタミンB1も豊富に含んでおり、栄養価に優れたおすすめの食品の一つです。

そばは、そば粉と小麦粉を混ぜて作っていますので、できるだけそば粉の含有量が多いものを選ぶと良いでしょう。

2、野菜

野菜には、ビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれており、ポリフェノールやカルテノイドなど多様な抗酸化成分も含まれています。これだけを食べていれば健康になれるといったものは、ありません。野菜には、それぞれ含まれている栄養素が違いますので、毎日多種類の野菜をたっぷりと食べることが大切です。健康のことを考えると、野菜は数種類を1日に計350g以上食べることが望ましいと言われています。

野菜は、色が濃くてカロテノイドの一種のβカロテンの含有量が高い緑黄色野菜と色の薄い淡色野菜に分けられます。毎日、緑黄色野菜120g以上、淡色野菜230g以上食べることが、健康を維持するためにも良いことです。

旬の野菜を食べる

多くの野菜は、1年中食べられるようになりました。しかし、野菜には旬があり、旬の野菜はそうでない時期に採れた同じ野菜よりも味も栄養価が高いのです。

例えば、ホウレン草の旬は、11から2月の冬です。冬に採れたほうれん草のビタミンCの含有量は、夏に採れたほうれん草の3倍にもなると言われています。旬の野菜を食べることで、より多くの栄養素を摂取することができ、健康に良いと言えます。

健康に良いおすすめの野菜

春:アスパラガス、玉ねぎ、にんにく

夏:トマト、ピーマン、モロヘイヤ、生姜

秋:かぼちゃ、ごぼう

冬:ほうれん草、ブロッコリー、ニラ、かぶ(秋から春にかけて)、れんこん

にんじんは、春夏にんじん・冬にんじんがあり、一年を通しておすすめです。にんじんに多く含まれているβカロテンは、免疫力を高め、がんや生活習慣病の予防に効果があると言われています。毎日食べたい野菜のひとつです。

3、果物

果物には、ビタミンA、C、Eなどビタミン類やカリウム、カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。また、余分なコレステロールの吸収を抑えたり、腸の働きを整えたりする食物繊維も豊富に含まれています。果物は、美容と健康に欠かせない毎日食べたい食べ物です。

「果物のある食生活推進全国協議会」では、果物を1日200g以上食べることを推奨しています。果物200gというとりんごや梨なら1個、ミカン・柿・キウイフルーツなら2個程度の量です。果物を食べる習慣がないという方は、ぜひ毎日の食卓に果物を取り入れて下さい。

果物も野菜同様に旬のものを食べるようにしましょう。そして、できるだけ自分の住んでいる地域で採れるものを食べることが自然に適していて、健康にも良いのです。

例えばバナナは、主に輸入されていて年中食べられますが、本来は南国のフルーツです。南国のフルーツは体を冷やす作用があるので、寒い地域に住む人が食べ過ぎると、健康に良くありません。季節に適した食べ物を選ぶようにしましょう。

健康に良いおすすめの果物

・りんご(旬9~3月)

・ブルーベリー(旬6~8月)

・アボカド(通年)

4、魚

魚介類は、9種類の必須アミノ酸をバランス良く含んでいる良質なたんぱく源です。さらにビタミンD、E、B12やカリウム、カルシウム、鉄などのミネラルも豊富に含まれています。

豊富に含まれるEPA・DHA

魚の脂肪には、EPAとDHAと呼ばれるn‐3系多価不飽和脂肪酸が多く含まれています。このn‐3系多価不飽和脂肪酸には、血流を改善して血液をサラサラにしてくれる効果があり、血栓を予防する働きがあります。つまり、魚の脂肪を摂取することで、血栓が原因で起こる脳梗塞や心筋梗塞などを予防することができるのです。

特にDHAは、脳の発達には欠かせない栄養素です。妊婦さんや子供にも毎日積極的に食べてほしい食べ物です。

EPA・DHAを多く含む魚

EPAとDHAは、魚の脂肪に含まれているため脂ののった魚に豊富に含まれています。まぐろの脂にはDHAが多く含まれており、特にくろまぐろ(ほんまぐろ)に最も多く含まれています。(上からDHAの多い順に記載しています。)

・まぐろ

・ぶり

・さんま

・さわら

・うなぎ

・かつお

・さば

・いわし

・あじ

5、大豆などの豆類

大豆は、畑の肉と呼ばれ良質な植物性のたんぱく質が含まれています。カルシウムやマグネシウム、亜鉛などのミネラルや、女性ホルモンに似た働きを持つイソフラボンや脂質の代謝に働くサポニンなどのポリフェノールなど、様々な栄養素をバランス良く含んでいます。

毎日の食卓に、特に納豆がおすすめ!

納豆は、蒸し煮した大豆を納豆菌で発酵させた食べ物です。納豆独特の粘りと匂いが苦手という方も多いかもしれません。しかし、栄養面では優れた食品で、健康のために毎日食べることをおすすめします。

大豆なので良質なたんぱく質が含まれているのはもちろんのこと、大豆には少ないビタミンB2やビタミンKも含まれます。ビタミンB2は、エネルギー生成をサポートし脂肪の代謝には欠かせない栄養素です。ビタミンKは、丈夫な骨を作るために必要な栄養素です。

また、納豆のねばねばに含まれるナットウキナーゼという成分は、脳梗塞や心筋梗塞の原因になる血栓を予防する効果があります。

6、オリーブオイル

オリーブオイルは、オリーブ果実から採油される油です。主にスペインやイタリアなどの地中海沿岸地域で作られています。主成分は脂質で、三大栄養素の一つです。生命を維持するためにも重要な栄養素の一つですが、脂質は摂りすぎると肥満などの生活習慣病の原因となります。現代は、肉類を多く摂取するようになったこともあり、動物性の脂質の摂りすぎから生活習慣病を発症する人が多く、脂質は体に悪いものと思われがちです。

しかし、オリーブオイルは植物性の油脂のひとつで、動物性油脂とは違い健康に良いものなのです。オリーブオイルは、悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを維持する働きのあるオレイン酸が多く含まれていて、適度に摂取すれば高脂血症や動脈硬化、心臓病の予防に効果があります。ビタミンEやβカロテンも豊富に含まれています。

パンやパスタと一緒にオリーブオイルを!

パンやパスタなどの糖質と一緒にオリーブオイルを摂取することで、血糖値の上昇を抑えられることが、研究でも明らかにされています。パンは糖質なので単独で食べると30分後には血糖値が急上昇します。しかし、ある研究によると油と一緒に摂取すると血糖値の上昇が緩やかになることがわかっています。特にオリーブオイルの効果が大きく、最も血糖値の上昇を抑える効果があります。

血糖値の上昇を抑えるということは、肥満予防や糖尿病の予防に効果があるということです。イタリアンレストランなどに行くと、よくパンと一緒にオリーブオイルが出てきて、パンにオリーブオイルをつけて食べます。日本ではあまり馴染みの少ないものですが、ただ美味しいからではなく、健康にも良いのです。

品質の良いエキストラバージンオリーブオイルを選びましょう

オリーブオイルにも様々な品質のものが売られています。オリーブの果実を絞ったままのバージンオリーブオイルから、精製されたオリーブオイルまで品質は様々。オイルなので時間が経つと酸化してしまうので鮮度も大切です。オリーブの果実を絞ったまま100%のバージンオリーブオイルの中でも最高品質のものがエキストラバージンオリーブオイルと呼ばれています。

エキストラバージンオリーブオイルには、脂肪酸以外にもオリーブ果実に含まれている多種類の体に良い微量成分が含まれており、健康に良い効果をもたらします。健康を考えるならより品質の良い、エキストラバージンオリーブオイルを選びましょう。

7、おやつにおすすめのナッツ類

ナッツに含まれる豊富な栄養成分

種実であるナッツには、アーモンド、カシューナッツ、クルミ、落花生、松の実など多種類あります。これらのナッツ類には、血流を良くして老化防止に役立つビタミンEや抗酸化作用のあるポリフェノール、カルシウムの吸収を高める亜鉛、血管の老化や動脈硬化の予防などに効果のあるリノール酸やオレイン酸など良質な不飽和脂肪酸など、健康に良い成分が豊富に含まれています。

おやつにおすすめ!でも食べ過ぎには注意してください。

健康にも美容にも良く、手軽に食べれるのでおやつにおすすめの食べ物です。ただし、塩や添加物で味付けされたものもあるので、塩分の摂りすぎに気を付けなければいけません。食塩不使用のナッツでも十分に香ばしく美味しく食べられますので、できるだけ食塩不使用のナッツを選んで食べることをおすすめします。

また、これら多くのナッツ類は、脂質が多く含まれエネルギーが高めなので食べ過ぎには注意が必要です。アーモンドなら12~13粒程度で約80kcalになります。これは、ご飯茶碗3分の1杯程度のごはんと同等です。

まとめ

健康に良い食べ物で、毎日食べたいおすすめの食材7つは、玄米などの精製されていない穀類、野菜、果物、魚、大豆などの豆類、オリーブオイル、ナッツ類です。これだけを毎日食べていれば健康になれるという答えが欲しかった方もいるかもしれませんが、残念ながら健康のためにこれだけを毎日食べれば健康になれるという食べ物はありません。偏った栄養では、健康を維持することはできません。健康を維持するためには様々な栄養が必要で、バランスが大切だからです。

健康を維持するために私がおすすめしたいのは、まずは主食を白米から玄米に変えること。それだけでも摂取できる栄養がかなり変わってきて、バランス良く栄養を摂取することができます。そして、多種類の旬の野菜をたっぷりと食べて、果物も楽しむ。主食は、魚や豆類を中心にする。そして、小腹がすいたらおやつにナッツ類を食べる。おやつには、果物やドライフルーツもおすすめの食べ物です。

このようなバランスの取れた食事を毎日していれば、健康を維持することができるはずです。でも、規制しすぎなくても大丈夫!たまの楽しみで、がっつり肉料理や洋菓子などを食べても、日常的にバランスの取れた食事をしていればそれほど健康を害することはないでしょう。

最後に、健康に良い食べ物でも食べ過ぎは良くありません。食事は、腹八分目を目安に食べることを意識してくださいね。